落語「七草」の舞台を歩く
三遊亭金馬の噺、「七草」(ななくさ)
向島百花園の「七草のカゴ寄せ植え」 展示用の大カゴに盛られた非売品 2013.01.04撮影
春の七草は「せりなずな 御形はこべら 仏の座
すずなすずしろ これぞ七草」
四辻の左大臣
(本名:四辻善成(よつつじのよしなり))の歌によって広まった。春の七草の7種の草とその読み並べ方が定着したといわれる。
左、蘿蔔(すずしろ)→大根、同じく八百屋で見掛ける代表的野菜。 写真7枚は「季節の花 300」 春の七草、よりhttp://www.hana300.com/haru77.html
芹、蕪、大根は現在も食べますが、他の4種は雑草としてか認識していません。本当に食べられるのでしょうかね。当時の人が可哀相なくらいです。
右図;武家でも、この日になるとまな板をトントン叩いた。
■秋の七草;春の七草は全て食べられる草ですが、秋の七草は鑑賞に堪える草花です。
2.吉原(よしわら)
「扇屋の新年」北斎画5枚続き 太陽浮世絵シリーズ北斎 平凡社より
■裏を返す(うらをかえす);吉原に登楼するとき、最初を「初会」、二度目を「裏を返す」、三度目を「馴染み」と言って、それ以降はお馴染みさんと名前が変わって歓待してくれます。ここから出た言葉ですが、現在も使われる言葉です。
■花魁(おいらん);お女郎では無い。女郎は四宿・岡場所の遊女や吉原の下級遊女。花魁は江戸吉原の遊郭で、姉遊女の称。転じて一般に、上位の遊女の称。
■芸事が出来る;上級の花魁は歌が唄えて、踊りが踊れて、三味線が弾けて、お琴が弾けて、胡弓が弾けて、布団が敷けて、車が引けた。(金馬談)
■御内所(ごないしょ);ご主人がいる場所。番頭、主人などが居る1階にある場所。その部屋。
■幇間(ほうかん)と末社(まっしゃ);幇間は男芸者、太鼓持ち。末社は付いてまわりの落語家などの芸人。
■二度のお勤めをしなくてイイ;江戸で遊女を買うと、その遊女は、一人だけの客を遊ばせるのでは無く、複数の客の相手をしなくてはならない。これを”回しを取る”という。決して相撲取りが土俵上でマワシを取るのとは違う。遊女からすれば、二度目からのお勤めをしなければ、身体も気持ちも楽になる。
■大尽(だいじん);遊里で大金を使って豪遊する「傾城買いの上客」。
3.言葉
■ホウボウ;ホウボウ科の海産の硬骨魚。全長約40cm、体は赤銅色。胸びれは特に大きく、内面は鮮青色で美しい斑点がある。胸びれ下部に、感覚器を兼ねるヒレの変形した3本の指状物があり、これで海底を歩き餌を探す。浮き袋で音を発する。本州中部以南に分布。
味は淡泊で上品なので、刺身、吸い物、鍋料理、塩焼き、煮物に用いられる。旬は秋から初春まで。
この魚は小骨が多く食べにくいから塩焼きでは誰も食べない。調理場に下がってきた魚を温め直して次のお座敷に回す。この魚だけです、”回し”を取るのは。あちこちの座敷に行くからホウボウと言う。(金馬談)
■美人の条件;昔の標準は、「髪は烏の濡れ羽色、三国一の富士額、山谷山谷の三ヶ月まゆ毛、目はパッチリと黒め勝ち、鼻筋通って口元純情おちょぼ口、膚は抜けるように白く、ほっそりした柳腰」。
右図;「お仙の茶屋」部分 春信画
春の七草と言えば、毎年春の七草をセットして開園している、都立向島百花園(墨田区東向島三丁目18)を訪ねます。
私は向島百花園に立っています。
話変わって、今回、吉原に行きたかったのですが、予算獲得が否決され、素見(すけん=ひやかし。ウインドショッピング)だけでは悲しく涙をのんでパスです。吉原は落語の中でも、舞台になる事が多い所ですので、前の噺にさかのぼって探して下さい。
2013年1月記 |
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