落語「饅頭恐い」の舞台を歩く 立川談志の噺、「饅頭恐い」(まんじゅうこわい)
黙っているみっつぁんに「おめえは、どんなもんが恐い?」と聞くと「ないッ」でも、なんかあるだろうとしつこく聞くと「おととい、カカアの炊いた飯がコワかった」。
罠に狐が捕らえられていた。悪狐だと石つぶてを浴びせるところ、貴方にだけ見せるものがあるので助けてくれと懇願された。私らが化けるところは見せないのだが、特別見せると言って、娘に化けた。その娘は綺麗な娘で、後ろ姿も見せてくれというと、振り返って見せてくれたが、フサフサな尾っぽが出ていた。注意すると手で隠し、一人前の娘に仕上がった。
最後まで聞いてくれるならと、おやっさんが恐い話をしだした。
■原話より 明の李卓吾(りたくご=1527-1602)が編んだと言われる『山中一夕話』にある。
2.饅頭
■薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう);すりおろした薯蕷(ナガイモ)の粘りを利用して米粉(薯蕷粉、上新粉)を練り上げ、その生地で餡等を包んでしっとりと蒸し上げた饅頭。上用饅頭とも言い、紅白饅頭や織部まんじゅうなどがこれにあたる。使われる薯蕷にはつくね芋(京都地方)、大和芋(関東)、伊勢芋(中部地方)などがある。茶席で使われる主菓子(おもがし)のひとつ。奈良の林浄因(りんじょういん)が作ったという言い伝えから、その子孫のお店の名前をとって「塩瀬饅頭」とも呼ばれる。右写真。
■塩瀬饅頭;塩瀬の始祖・林淨因は、主に寺院を対象に、奈良でお饅頭商いを始めました。
■腰高饅頭(こしだかまんじゅう);丈高にふっくら作ってある饅頭。
■栗饅頭(くりまんじゅう);栗餡を包んだ小判形の饅頭。皮の上に卵黄を塗って艶よく焼いたもの。また、その両方を兼ね備えた饅頭。くりまん。
■蕎麦饅頭(そばまんじゅう);そば粉またはこれに上新粉や小麦粉を混ぜたものにすりおろしたやまのいもなどを加えて練った皮で、あんを包んで蒸したまんじゅう。
■木の葉饅頭(このはなんじゅう);木の葉の形をした”サラッ”とした餡の饅頭。
■揚げ饅頭(あげまんじゅう);衣で餡を包み油で揚げた物。
■葛饅頭(くずまんじゅう);葛粉と砂糖などを練った生地で、餡を包んだ饅頭。多く、包んだあと蒸し、冷やして食べる。
■肉饅頭(にくまんじゅう);イーストなどを加えてふくらませた小麦粉の皮に、豚肉・玉ねぎなどを包んで蒸した中華饅頭。豚饅頭。にくまん。
■今川焼き(いまがわやき);銅板に銅の輪型をのせ、水で溶いた小麦粉を注ぎ、中に餡を入れて焼いた菓子。江戸神田今川橋辺の店で製し始めたからこの名がある。今は輪の代りに多数の円形のくぼみをもつ銅の焼型を用いる。鯛焼きもこの仲間です。
3.お茶
お茶(緑茶、日本茶)茶葉の種類一覧表。お茶の緑園さん http://minorien.jp/ichiran/ichiran.html より
中国には1000種類のお茶が有ると言います。饅頭だけでは無く、お茶も仲間が多いのです。
4.言葉
■むしがすかない;中国の道教の考えで『三虫(三尸)』というのがあって、人の体の中には災いを起こす三匹の虫が住んでいて行いを監視していて、それが時々体を抜け出して天帝に報告に行っているというものです。それが日本に伝わり「三尸九虫」という、人の体内には九つの虫がすんでいてそれぞれが、病気を起こしたり、意識や感情を呼び起こすのだと言う俗信になりました。「虫」にまつわる言い回しはそこから来ているという説があるようです。落語「疝気の虫」 http://ginjo.fc2web.com/162senkinomusi/senkinomusi.htm の中で解説しています。
■のっぺらぼう;のっぺらぼうとは、顔には目も鼻も口もないミミズだけではなく日本の妖怪も。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』の中の『むじな』の話が有名。
饅頭より恐いですぞ~、その話とは、
東京の港区元赤坂迎賓館と千代田区の境にある紀之国(きのくに)坂は、江戸時代に紀州の藩邸があったところから、その名がついた。御所の高い長塀と昔からの大きな堀が続く、物寂しい坂だった。昼間でさえ人通りはなく、夜ともなればなおさらのこと、どんなに回り道をしたとしても人々は紀之国坂を避けたという。紀之国坂には「むじな」が出るという噂があった。
落語「のっぺらぼう」にこの噺と、本題が有ります。
大福餅は饅頭と違うのでしょうか。これも考え始めると夜も寝られなくなるので、餅菓子屋さんに聞きました。
饅頭は小麦粉をこねて中に餡をいれて蒸したものが一般的で、種類は非常に多くなっています。一方大福は大福餅とも言われている様に、餡を薄い餅で包んだ物で、蒸しません。大福の歴史はよくわかりません。ですから両者の違いは作り方と皮の部分が根本的に違います。
その今川焼き発祥の地と言われる地に行きます。
饅頭の老舗「塩瀬」に伺います。
右看板;塩瀬本家にある看板。「日本第一番 本饅頭所 林氏塩瀬」 東京・明石町
最後にラフカディオ・ハーンの「のっぺらぼう」の舞台、紀之国坂に行きます。
それぞれの写真をクリックすると大きな写真になります。
塩瀬総本家本店
(中央区明石町7)
聖路加病院
(中央区明石町)
佃大橋
(隅田川の中央区明石町と佃を渡す)
紀之国坂
(港区元赤坂東の坂)
赤坂喰違見附(千代田区紀尾井町に抜ける外堀の見附)
今川橋交差点(千代田区鍛冶町、中央通りの交差点)
今川橋跡の碑
(江戸時代の今川橋の架かっていた地)
2014年4月記 |
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