落語「火焔太鼓」の舞台を歩く
五代目古今亭志ん生の噺、「火焔太鼓」(かえんだいこ)によると
1.火焔太鼓
皇居の火焔太鼓。左側に太陽の火焔太鼓、中央の太鼓表面のガラは三つ巴、火焔の中に龍が遊び、左に小さな火焔の中に鉦が吊されています。右側には月の火焔太鼓、太鼓の部分には二つ巴のガラになっていて、火焔の中には鳳凰がいます。大きな物で、風呂敷に包んだり、大八車で運べるようなものではありません。
■増上寺;(港区芝公園4丁目7−35)浄土宗の七大本山の一つ。三縁山広度院増上寺(さんえんざんこうどいんぞうじょうじ)が正式の呼称です。酉誉聖聡(ゆうよしょうそう)上人によって、千代田区平河町付近の地に、創建されました。文明2年(1470)には勅願所に任ぜられ、関東における浄土宗教学の殿堂として宗門の発展に寄与する。
江戸時代の初め源誉存応(げんよぞんのう)上人が徳川家康公の帰依(きえ)を受け、大伽藍(がらん)が造営した。以後徳川将軍家の菩提寺として、また関東十八檀林(だんりん)の筆頭(落語「鈴振り」に詳しい)になりました。25万坪の境内には、坊中寺院四十八、学寮百数十軒が立ち並び、「寺格百万石」とうたわれた。 本堂の隣には安国殿があって、安置の「黒本尊阿弥陀如来」は、徳川家康公の念持仏でした。家康公出陣の際は、戦勝を祈願し共に戦場に赴いたと伝えられております。幾多の危難を逃れ家康公が勝利を得ることができたのも黒本尊さまの功徳の賜物といわれています。以後「勝運黒本尊」として徳川家のみならず人々の信仰を現在に至るまで集めて、年三回、正月、五月、九月の各15日の日にだけ御開帳になります。 現在、北側の将軍墓所が有った地は、東京プリンスホテルになっていますし、西側の高台は東京タワーになってしまいました。南側にあった二代目秀忠公の墓所も無くなり、現在の安国殿の裏に六将軍の墓所に、まとめて改墓されています。
2.道具屋
3.言葉
■岩見重太郎(いわみじゅうたろう);筑前小早川家の臣で、諸国を周遊して勇名を挙げ、天橋立で父のかたき広瀬軍蔵らを討ち、豊臣秀吉に仕えて薄田隼人(ススキダハヤト)となったという伝説的豪傑。
一年中でもいろいろあります。
■1分(いちぶ);毎回出てくる貨幣単位。1両の1/4。約2万円ぐらい。ゴミを買ったのにしては高価でした。
■300両;10両盗むと首が飛ぶ時代、300両は大金中の大金です。宝くじ(富くじ)が当たったようなものです。
■受け取り;領収証。売り手から買い主に差し出す金銭受領証。商売人は領収証を持参するのが常識、奥様に脅されて甚兵衛さんはハナから売れる見込みがないと思っていたのでしょう。
■50両ずつ;小判を50枚以上裸で持ち出すことはしませんでした。金座で50両ずつ紙にくるみ、表面に五十両と墨書きし紙包みにし、封印した金貨。それを信用して流通しました。これを”包み金”と言います。ですから、1枚2枚3枚・・・300枚とは数えません。また、”切り餅”という包みもありますが、中身は二分金や一分金の50両包みです。中身が四角なので包み紙が切り餅のような形になるので、この様に呼ばれました。
日本銀行、貨幣博物館 「包み金」 http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_30.htm
■半鐘(はんしょう);火事を知らせるための小型の鐘。
■爪印(つめいん);ソウインとも。爪先に墨・印肉をつけ、印鑑の代りに押して証とするもの。墨などをつけないで、紙面に爪痕だけをつける場合もある。奈良時代に中国から伝わり江戸時代に盛行。
甚兵衛さんの道具屋も火焔太鼓を買い取ったお屋敷も所在不明で歩くことが出来ません。その姉妹である、芝・増上寺に火焔太鼓を見にいきます。皇居の火焔太鼓は通常見学不可ですから、過日の画像を載せます。
七草を過ぎた増上寺(上写真)は新春初詣の参拝客がまだ列を作って順番を待っています。その先頭は本堂前のお賽銭箱ですが、私は列の右側から並ばずに本堂の中に入ります。本堂では法事の真っ最中で、その読経の声が天井に反射して、堂内をエコーが走り回って、荘厳で神秘的な雰囲気を醸しています。
本堂を出ると北側に並んで黒本尊が祀られている安国殿があります。また、その裏(西)には徳川将軍6人が眠る墓所があります。そう、増上寺は徳川将軍家の菩提寺ですから歴代将軍だけの墓所が有りましたが、戦災で被災、財政上周りの境内を売却し現在の規模に縮小してしまいました。
際物の太鼓を買ってきて怒られた初午のある新橋烏森神社を訪ねます。
烏森神社を紹介しておきましょう。
火焔太鼓(皇居)
増上寺(港区芝公園四丁目)
鉄砲洲稲荷神社(てっぽうづ。中央区湊一丁目6)
烏森稲荷神社(からすもり。港区新橋二丁目-9)
石浜神社(真崎稲荷神社=荒川区南千住3-28-58) 2012年2月記
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