落語「替わり目」の舞台を歩く
五代目古今亭志ん生の噺、「替わり目」(かわりめ)によると
1.替わり目後半
2.人力俥
人力車については、落語「反対車」に詳しい。
今は芸者さんが料亭に出勤するのにわずかながら残ったのと、観光目的に観光地で活躍するものが、残って活躍しています。台東区で開業している俥屋さんは、浅草の観光が主な活躍場所です。
株式会社くるま屋 東京都台東区寿4丁目5-2
http://jinrikishahanbai.main.jp/
■かじ棒;俥の引き手棒。
3.うどん屋
江戸の食文化は、白米が主食で、おかずは少なく白米で満腹にしていたので、これによりビタミンB1欠乏症から脚気の発症が多かった。将軍をはじめとした上層武士に脚気患者が多かった。脚気は、元禄年間に一般の武士にも発生し、やがて地方に広がり、また文化・文政期に町人にも大流行し、”江戸患い”と呼ばれた。また、酒飲みはアルコールを分解する時にビタミンB1を大量に消費するので、脚気には成りやすい。この噺の主人公も、嫌いの一言抜きに食べておいた方が自分のため、うどん屋のためでもあった。その為蕎麦を食べることによって脚気から自然と遠のくことを経験から江戸っ子は知っていたのであろう。また、蕎麦の名産地が信州等にあり、その為に江戸ではそば食いが多くなった。
現在の関東地方は、東京都多摩地区の武蔵野(小平市、東村山市など)、埼玉県西部及び北部、群馬県などでは、「武蔵野うどん」をはじめとするうどん専門店が街中に多く美味い。平成19年(2007)度のうどんの生産量でも1位は讃岐うどんで知られる香川県だが、2位は埼玉県であり、群馬県もベスト3に入っている。これらの地域では二毛作による小麦栽培が盛んで、うどんは日常的な食事だった。
1位 香川 60,650 2位 埼玉 22,.545 3位 群馬 15,253 4位 愛知 12,204 5位 北海道 8,958
単位トン
4.言葉
■香香(こうこう);香のもの。漬け物=野菜などを塩または糠(ヌカ)味噌などに漬けて、ならした食品。こうこ。
■目刺し;鰯などに塩をふり、数尾ずつ竹や藁で目の所を刺し連ねて乾した食品。
■ラッキョウ(薤・辣韭);ユリ科ネギ属の多年生作物。中国原産。日本でも古くから栽培。葉は細く、秋に花茎を出し、その先に球状に集まった紫色の小花をつける。冬を越して、初夏に地下に生ずる白色の短紡錘形の鱗茎は一種の臭気を有し、漬けて食用とする。ラッキョウを甘酢などで漬けたラッキョウ漬けは美味。
■三千世界;われわれが住む世界の全体。須弥山(シユミセン)を中心に、日・月・四天下・四王天・三十三天・夜摩天・兜率天・楽変化天・他化自在天・梵世天などを含んだものを一世界とし、これを千個合せたものを小千世界、それを千個合せたものを中千世界とし、それを千個合せたものを大千世界とする。大千世界のことを三千大千世界ともいう。一仏の教化する範囲(一仏世界)。三千界。
■おでん;大根、コンニャク、竹輪など汁をたっぷり使って煮込む。関西で言う関東煮です。関西でおでんと言えば串に刺した具に味噌を付けて食べます。
「人情のほろびしおでん煮えにけり」 久保田万太郎
■焼き豆腐;おでん種の一つ。豆腐をあぶって焼いたもの。あぶり豆腐。
■ヤツガシラ(八頭);おでん種の一つ。サトイモの一品種。親芋の肥大が早くとまり、数個の同大の子芋を生じ、これらは癒合して直径10cm余の塊をなす。芋は濃密・粘質で美味だが、収量は少ない。八頭芋。
■ガンモドキ(雁擬き);おでん種の一つ。
(雁の肉に味を似せたものの意)
油揚げの一種。昔のは麩を油で揚げたもの。今のは豆腐を崩して、つなぎにヤマノイモ・卵白などを加え、細かく刻んだゴボウ・ニンジン・ギンナン・アサの実などを混ぜて丸め、油で揚げたもの。
■ハンペン(半片・半平);おでん種の一つで、奥様の好物。(一説に、駿河国の料理人半平の創製による名という) 魚のすり身にヤマノイモ・澱粉などを加え、半月形・方形などに作ってゆでたり蒸したりしたもの。
セブンイレブンのおでん種、http://www.sej.co.jp/products/oden1109.html ここには上記4品は有るでしょうか。
ファミリーマートのおでん種 http://www.family.co.jp/goods/ff/oden/ ここなら有るか。
人力車を探しに浅草に行きます。
浅草に観光人力車が登場して約15年になります。最初の頃は歩道に人力車が止まっていたりしたものですが、今では路上に専用駐車場が出来て浅草雷門を中心に呼び込みが華やかに行われています。浅草という観光の地に実用的な乗り物と言うより、観光案内で裏から浅草を盛り上げています。江戸時代の高速船、猪牙舟のように目的地に行くためでは無く、屋形船や屋根船のように川からの遊覧を目的とした船があったのと同じです。
浅草の人力車の会社は数社有って、十数台所有しているところから、個人の車夫まで入り乱れての競争激化地帯です。客引きはそれ専門の係では無く、お客さんを勧誘した者が車夫としてお客さんを乗せます。もうここから力仕事の車夫だけでは無く、人とコミュニケーションが上手く出来なければ、いつまで経ってもお客は付きません。「帰り車」だからと言う勧誘も出来ません。強く言えば「うるさい」と言って逃げられるでしょうし、柔らかく言えば、スルッと逃げられてしまいます。その呼吸が難しいのでしょう。
二人乗りが当たり前の人力車ですが、乗っている人達のなんて幸福そうな顔なのでしょう。道中のひとときの幸せを満喫しています。二人乗りですから家族や友達同士でも楽しそうですが、恋人同士のそれは嬉しさを通り越して気恥ずかしさと”二人”と言う充実感が見る物にもひしひしと感じられます。冬ですから膝掛けに”赤ゲット”すなわち、赤い毛布を二重に掛けてもらい、幌も頭上にかかり、後は車夫任せの道行きになります。ディズニーランドのガイドのお兄さん達より、エンターテイメントとしては優れているのでは無いでしょうか。浅草の地理は勿論のこと、歴史からポイントの説明、彼らの知っている隠れた穴場や、隠れた話はお客を飽きさせません。彼らといって、車夫を一握りに話していますが、女性のそれも若い娘さん方も車夫として頑張っていますし、六十を越えた車夫も若者に負けず頑張っています。
笑顔の中で人力車を楽しむお客さん達。
そうそう、二人乗りですから、結婚式のイベントとして新郎新婦が俥に乗って一回りするのがトレンドのようです。私も何度か目撃していますが、車夫の他に回りに何人かの同僚が提灯を持ったり、赤い道行きの大傘を差し翳しながら行列を作っているのを見たことがあります。二人の幸せな表情が思い出されます。
地図をクリックすると大きな地図になります。
人力車駐車場(雷門前)
時代屋案内所(台東区雷門2-3)
お祭りミュージアム(台東区雷門2-3)
客引き(雷門前)
磨き込まれた人力車
笑顔を送ってくれるお嬢さん 2012年1月記
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