落語「強情灸」の舞台を歩く
古今亭志ん生の噺、「強情灸」(ごうじょうきゅう)によると。
遠く江戸の時代、当時の円海山護念寺の五世住職、萬隋の夢枕にある日、観音の化身”大威徳明王”が立ち「この灸によって万民を救済せよ」とお告げとともに灸を授けた。 志ん生は噺の中で背中に片側16ヶ所、両方で32ヶ所灸をスエると言っていますが、実際は両方で最大でも8ヶ所だそうです。だそうですとは、逃げるように帰ってきたので深くは分かりません。根性無しですから・・・。
円海山にはNHK横浜放送局FM放送とFM横浜の送信所が置局され、NTTの中継所もあります。
■嶋田山遍照院;(墨田区吾妻橋1−3)
■森厳寺;(世田谷区代沢3−27)慶長13年(1608)に徳川家康の次男結城秀康の位牌所として建立された寺院です。「淡島の灸の森厳寺」としてせたがや百景の一つにも選出されたお寺さん。
■長国寺;(台東区千束3−19)ほうろくを頭に載せて灸を据える「ほうろく灸祈祷会(きとうえ)」が開かれる。長国寺は江戸時代初期の1630年に開山された日蓮宗の寺で、お酉様が開かれることで有名。
写真左;11月お酉様時の長国寺。鷲(おおとり)神社と並び建つ。06年11月一の酉にて。
2.マクラから
■小さんのマクラでは;額の上に黒いアザがあるので聞いてみると、「次回からは背中にスエたお灸の上にスエなさい。」とアドバイスを受けたので、「上に上にとあがってきたら頭の上を通り越して額まで下がってきた。明日は目の上にするのかと思っていた。」という。「それは最初にした灸痕の上に重ねてしろと言うことだ」。
3.灸(きゅう)
お灸は今から約三千年前、薬草の宝庫たる中国の揚子江に発祥しました。以来東洋医学、漢方療法として現代まで継承されてきたのです。地や時代を超えて自然と共存しようとする普遍的な考え方があります。
お灸は温感が強ければ強いほど効果があるというものではなく、「熱さ」を感じる時に「心地よさ」をともなうものが望ましく、施灸後に爽快感があればこそ継続していけるのだと存じます。「熱さを我慢して」それがかえって身体的、精神的「苦痛」になったのでは良い結果は得られません。
ツボの利点は、「1つのツボは1つの症状だけに働きかける」のではく、「身体全体のバランス(気・血・水)を整える」ことにあります。1つのツボでもケアを継続して行うことは、「気・血・水」を整えることへと収束していくことであると考えております。
上図;「江戸版画」より
■モグサ;“もぐさ”は"MOXA"、「灸治療」は"MOXIBUSTION"といいます。 「せんねん灸」ホームページより http://www.sennenq.co.jp/
「お灸」という言葉は、かなり昔から、「お仕置き」、あるいは「制裁」という意味の比喩としても用いられてきた。90年頃までは新聞記事などにも、「汚職公務員に厳しいおキュウ」などと書かれたことがある。しかし、お灸は、東アジアの伝統的な優れた医療であり、こうした意味に使われるのは好ましくないと、日本鍼灸師会が主張、現在は使われなくなった。
■現在の家庭用灸セット
灸の本家からいただいた試供品です。今、家庭用ではこの様な形をしています。
■八百屋お七;火付けの罪で、鈴が森で火あぶりになった娘。第28話落語「くしゃみ講釈」で紹介していますので
、詳しくはそちらもご覧下さい。
■お不動さんが火炎を背負っているような、カチカチ山の狸のような・・・
舞台の護念寺を歩く
横浜横須賀道路、通称横横道路港南台インターチェンジを出て真南の山の上にある護念寺が今回の目的地です。
灸をして貰えば、この疲れも取れるでしょう。
山の奥深い所に建っているお寺さんで、竹林に囲まれて風情があり、鳥の鳴き声が聞こえる深山です。本堂の手前にお灸を施してくれる建物があってお客を待っていますが、1時間程散策していましたが誰も来ません。よく見ると要予約と看板が出ています。
なぜかホッとします。本堂の前を奥に進むと、山の中なのに車の疾走する音が聞こえます。キョロキョロしていると、足元に横横道路が見え、その手前のトンネルに車が走り去っていくのが見えます。そのトンネルの上の小道を行くと
清浄園に出ます。ここは新しく山腹に開いた霊園墓地です。見晴らしもよく、まだ空きがあるのでいかがですか。
家に帰って、家庭用で試してみました。ソフトクリーム状にうずたかく積み上げたモグサに点火したかったのですが、残念ながら裸のモグサはありません。
熱かった時取り去りそれを受ける灰皿を用意して始めました。
アララなんなのでしょう。熱くもありませんし、ツボに何か作用があったのでしょうか。狸に化かされているようです。ただ、部屋が線香臭くなってその匂いを追い出すのに苦労しました。縁側か濡れ縁でやるのが良いのかもしれません。
再挑戦を「火を点けるタイプ(熱さ中)」でやってみました。サンプル中一番熱いタイプです。点火してから1分半もすると上部のモグサは燃え尽きてしまいました。なぁ〜んだやっぱり熱くはないんだ、お不動さんと違って煙だけなんだ。と思っていたのは
大間違い。台座の中に火が潜り込むとチクチクと針で刺されるような痛みが走ります。「わ〜、石川五右衛門も八百屋お七もさぞ熱かったろう」。
それぞれの写真をクリックすると大きな写真になります。 2008年7月記 |
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